ペインクリニックとは?

痛みの診断・治療を総合的に行うのがペインクリニック!

ペインは「痛み」、クリニックは「診療所」ですので、 ペインクリニックとは「痛み専門の診療所」ということになります。 麻酔科医が手術時の麻酔のテクニックや薬剤に関する知識を応用して、 痛みに対する専門的な治療を施すところがほかのクリニックとは違うところです。

痛みがあればすべてペインクリニックで治療をというわけではなく、 必要があれば原因となる疾患の当該科と連携し治療にあたります。 一般のクリニックでは行えないような痛みを和らげるための治療を専門に行っています。

ポイントは「神経ブロック療法」!

ペインクリニックの治療には、「神経ブロック療法」を利用することが最大の特徴です。 神経ブロック療法とは、神経に直接または神経の近くに局所麻酔薬を注入し、一時的に痛みを和らげることで、 人間のもつ本来の回復力を引き出します。 また、抗炎症薬を同時に投与し、痛みの原因となっている局所の炎症を取り除きます。 ブロックの種類はどの神経をブロックするかでいろいろな方法があり、 いってみれば神経の数だけブロックがあります。
少し専門的になりますが、以下に代表的なブロックを紹介します。

星状神経節ブロック
首のところに星型の交感神経(自律神経であり、人間が興奮した時に活発になる)の塊があります。この神経をブロックすると、リラックス効果があり顔面や上肢の血流が増加し、その部位の痛みなどを緩和できる可能性があります。
硬膜外ブロック
脊髄神経は周りを硬膜に覆われています。その膜の外側に薬を投与し、じっわと脊髄神経に浸透します。首、上肢、腰、下肢の痛みに効果があります。
トリガーポイントブロック
痛い部位にこりなど訴える時にみられる圧痛点であり、そこに局所麻酔薬と抗炎症薬を投与し、痛みを緩和し、血流改善と筋肉の緊張を和らげ、体内に痛みを作り出す物質を洗い流します。

他に三叉神経ブロック、後頭神経ブロック、肩甲上神経ブロック、頚神経ブロック、肋間神経ブロック、腰椎傍神経ブロック、神経根ブロックなどのブロックを施行します。 神経ブロック療法は、診察、画像診断の情報から痛みの原因とその部位を特定し、最適な神経ブロックを選択します。

その他の治療

ペインクリニックでは下のような治療法も取り入れて治療を行っていきます。

薬物療法
痛みがあるので当然痛み止めをメインに処方します。 痛み止めは一種類でなく、それぞれ個人や症状にあった痛み止めを考慮します。 また、痛み止め以外に、鎮痛補助薬と呼ばれる種々の薬も駆使し痛みを和らげます。 漢方、外用剤(シップ、塗り薬)も治療に使用します。
物療療法
痛い部位の血流改善や筋肉の緊張を和らげるため、 電気治療、けん引治療、マッサージベッドなど使用します。
鍼(はり)治療
長期に痛みが続いている方を対象に鍼治療も施行します。
関節腔内注射
血液に含まれる血小板には傷を修復する作用があり、この血小板の成分を濃縮させたものを関節内に直接注入することで、内部から修復を促して痛み軽減を目指す治療です。
関節に注入する成分は患者様ご自身の血液から抽出するため、副作用がほとんどないのが特徴です。
当院では再生因子注入療法リペアニーズを取り扱っています。